どうもー!和一です!
今回は妖怪研究の功労者、井上円了博士が考案した妖怪の分類について考えていきます。
そのためにまず、始めに確認しておかないといけない事が一つ。
ここで言う「妖怪」とは不可思議なこと全般を指しています。
つまりは、今では『妖怪分類』というより『超常現象分類』と言うほうがしっくりくるかと思います。
では、下の図を見ましょう。
妖怪┳実怪┳真怪
┃ ┗仮怪
┗虚怪┳偽怪
┗誤怪
これが、井上円了博士の妖怪分類です。
では、それぞれ詳しく見ていきましょうか。
虚怪とは、人間が勝手に生み出しただけの妖怪のことです。そのため、実際にあったことではないので「虚ろ」な「怪異」で「虚怪」です。
虚怪はさらに誤怪と偽怪の2つに別れます。
誤怪
人間が恐怖心などによっての見間違えや、錯覚のこと。いわゆる「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ってことですね。勘違い=誤解です。
その場で勘違いだと気づければいいのですが、怖がって確認出来ず噂として広がっていくこともしばしば。そうなったら井上博士のような頭の良い人くらいしか、真実に気づけないでしょうね。
偽怪
こちらは、人間によって「意図的に」作り上げた偽物の怪異です。つまりfakeです。壺を売り付けてくるインチキ霊能力者をイメージしますね。
最近では心霊動画をでっち上げて、テレビに売り付ける人もいます。さらには直接的に売るのでは無く、オカルト現象をでっち上げて、それをマーケティング(宣伝)にこっそり使う人も。
都市伝説で有名な、夢に出てくるあの人も実は…
実怪とは虚怪とは違い、実際に現実で起きた現象です。しかし「実際に起きた」といっても、それが本当に超常現象だとは限ら無いので注意が必要です。
仮怪
これが、これこそが、いわゆる超常現象なんです。仮怪とは実際に起きた超常現象で、なんとか人間が論理的に説明できそうなことです。
一見理解し難い現象でも、複雑な物理現象や特殊な心理現象、あるいはまだ人が発見していない科学の法則によって説明できるハズ。
例えば(例えるとキリが無いですが)、コックリさんや金縛りは、有名な科学的説明がありますね。
さて、ここで注意したいのが、例え今現在解明出来ていない超常現象であっても、この分類に入れておくべきということです。説明出来るかもしれない、出来ないかもしれない、「仮に怪としておく」から「仮怪」です。
真怪
そうは言ってもこの世界には、人知の及ばぬもっと根本的な法則があります。それこそが完全な超常の原理であり、完全なる大妖怪なのです。これを真怪と呼びます。
真怪とは、全てのことの大元なので、不可思議の中の不可思議と言えます。ややこしいので下で少し考えてみました。
真怪とは、真実の怪です。だからといって、今の人類が説明出来ない現象だからといっても、すぐさま真怪認定してしまってはいけません。それはいったん仮に怪に、つまり仮怪に認定すべきです。何故でしょうか?
真怪とは、「真理」に対する考え方の一つです。例えば、科学者は様々な実験や理論を駆使して自然世界の法則の完全な理解を目指します。そこでは全ての現象を表現する公式が真理です。
神学者は聖典の様々な記述をつぶさに考察、議論を繰り返し、より正しい神の教えを見つけ出そうとします。正しい神の意志こそが正しい教義、正しい世界であり、真理なのです。
今あげた例は真理を直接求めていましたが、真怪はそうはいきません。真怪とはあくまで怪、不可思議で理解不能なことなのです。そのため単純には真怪を捕らえることはできません。
では、どうしましょうか?答えは単純。現象として現れた妖怪=超常現象を全て解明していくのです。そうしていくことにより、この世界から偽の妖怪がいなくなっていきます。
要は、分からない事が、理解出来ない事が減っていくのです。これは、科学や民俗学、心理学の発展とも言えますね。それによって、いずれ人類が完全に理解する事の出来ないホンモノの、究極の謎があぶりだされるのです。
ああ、うまく説明できた気がしない…
マジややこしい…これはどちらかといったら宗教や哲学の部門なんじゃなかろうか。
まあ、井上博士はこういった壮大な理論も唱えはしましたが、彼の妖怪研究の大部分は具体的な謎の解明でした。
有名どころではコックリさんの謎も解明しております(完全に、とは言えないかも知れませんが)。興味があれば井上円了博士を調べて本を読んでみましょう!なんか、迫力のある文を書く人でした…
ではさらば